化学物質過敏症の一つである「香害」への対応について(2019年12月議会一般質問)

私たちの生活には多くの化学物質があふれ、化学物質過敏症を発症する人がふえています。

最近では、柔軟仕上げ剤や消臭除菌剤の香料による健康被害の訴えが相次ぎ、新たな化学物質過敏症として問題になっています。これらの影響については、成長期である子どもたちに対しては特に未然防止の視点からの配慮が必要です。

子どもが持ち帰った給食着の匂いで困った、という保護者からの声がきっかけとなり、調べたところ多くの意見があったことから、市の対応について質問しました。

■市として「香害」について、どのように捉えているか。

日本医師会は香害が化学物質過敏症の一つである可能性について指摘しており、香り等に含まれる化学物質によって、めまいや吐き気、思考能力の低下などの症状が出る方がいることについては認識している。香害に特化してはいないが、保健センターに開設している保健相談室で、相談を受け付けることができるようにしている。

■学校ではどのように配慮しているか。

今のところは報告はないが、あれば、事例がないので具体的には言えないが、本人や保護者から十分な聞き取りを行って対応する。

■市民への啓発活動を推進する必要があると思うが、どうか。

これまで相談や訴えがなかったので啓発活動は行っていない。他自治体の取り組みの有無や内容を調査研究する。

■教育の場での周知が必要と思うが、見解は。

周知啓発については調査研究する。要望が寄せられれば関係者から十分な聞き取りを行って対応する。

 

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5月の国会、消費者問題特別委員会で取り上げられています。「現時点ではその原因や発症機序などが不明であり、実態解明が進んでいない」との答弁があり、今、苦しんでいる人がいるにも関わらず、原因物質が野放しになっています。

日本医師会が発行している「健康ぷらざ」508号にも「香害」の問題が取り上げられています。

小児科医の渡辺一彦医師による記事で、いったん香料に不調を感じると、次から次へと身の回りの物質に反応し、健康被害が広がって重症化することもある。発症には個人差があるために周囲には「大げさ、神経質」と受け取られてしまう。育児や保育の現場でも香料が使用されており、不調を訴えることのできない乳幼児に将来どんな影響があるか心配。残念ながら、かかってしまうと治す薬はない」と書かれています。

症状は深刻で、社会的認知を早急に図らなければならない問題です。

柔軟仕上げ剤の香りを長持ちさせるための「マイクロカプセル」に使用されている物質が呼吸器や目の粘膜、皮膚などに影響を与えると指摘されています。

洗濯の仕上げに使った場合はほとんどの成分が下水に流れ、マイクロプラスチックの海洋汚染の原因ともなっています。そして洗濯物を干すと、衣類の乾燥とともに周囲に多量に飛散し、また洋服を着ているときも繊維から剥離して周囲に飛散します。割れてはじけたマイクロカプセルはPM2.5程の小ささで、吸い込むと肺から吸収されることがわかっています。

渡辺一彦医師は「厚生労働省は健康被害調査を早急に実施したうえで、製造・販売・使用に関して適切な規制、指導をするべきだ。欧米では環境基準も厳しく設定されている。情報公開をさせて厳しく規制すべき」と述べたうえで、香料自粛の呼びかけをしている自治体や公共施設もあるが、受動喫煙防止同様の啓発が社会的に求められている」と述べています。

化学物質過敏症は、何らかのきっかけで、ごく微量な物質にも反応してしまうようになってしまいます。発症してからでは、遅いのです。発症しない環境を作るために、全国各地の学校で、周知の活動が広がっています。

 

世田谷区では小学生向けのチラシを、練馬区では学校から小中学生の保護者向けのチラシの配布と、担任や養護教諭に向けての配慮を促す文書が学校に配られるなどの具体的な取り組みが進んでいます。

世田谷区練馬区のリーフレット

児童・生徒自身や保護者も、香りの問題を個人的なものとして学校などに相談することを躊躇している状況もあります。

このような問題があることを周知しておくことで、相談しやすい環境を作っていくことも必要です。

 

近年、急増している香りの害「香害」による健康被害については、香り商品を使うことについては個人の好みだと捉えられ、注意喚起が難しいという問題もあります。

「個人の問題ではなく社会が対応すべき問題」として認識し、市としても対応を急ぐべきです。

深刻なこの問題について、広く市民に周知をしていただくことを、要望しました。

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