府中市の児童館のあり方について(2019年9月議会一般質問)

昨年10月に厚生労働省は、全国の児童館運営の指針となる「児童館ガイドライン」を7年ぶりに改正し、全国の地方自治体に通知しました。新しいガイドラインでは、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、子どもの意見の尊重、子どもの最善の利益の優先等が新たに盛り込まれました。また、児童館の活動内容として子ども同士の遊びを通じた健全育成の支援をはじめ、子どもの居場所の提供として、中・高生世代も実際に利用可能な環境づくりに努めることなどが盛り込まれています。背景には、昨今の子どもをめぐる福祉的な課題への対応や、児童館のもつ機能を踏まえた子育て支援の拡充への期待があります。

これまでも生活者ネットワークでは何度も児童館の充実を訴えてきました。少子化や核家族化など子育て世帯を取り巻く環境が変化し、地域の子どもや子育て世帯の拠点として、児童館にはセーフティネット的な機能が求められています。府中市の児童館が乳幼児から小学生、中・高生世代の子どもたちの居場所の一つとして充実することを求めて質問しました。

 

■  府中市は子どもたちの居場所としての児童館をどのように捉えているか。また、この度の児童館ガイドラインの改正をどう受け止めたか。

児童館は、小中学校の児童・生徒及び保護者が同伴する幼児の健全な遊び場としている。ガイドラインの改正については、関係課で情報共有し周知を行なった。

情報を共有したのは、文化センターを管理する地域コミュニティー振興課の他に、児童の放課後の居場所づくりを所管する児童青少年課と、子どもに関わる施策を取りまとめている、子ども・子育て支援計画を所管する子育て応援課である。関係があると思われる部署には今後も情報提供をしていく。

■  児童館は児童福祉法40 条に規定する児童厚生施設としており、厚生労働省では「18歳未満のすべての児童を対象」としているが、府中市の児童館の利用が「中学生まで」と限定されている理由は何か。

児童館条例を制定した当時の理由は不明だが、条例で中学生までに限定されているため。

■  児童館を利用している人の詳細データは。

年間で全児童館の合計で、未就学児と保護者37,941人、小学生62,551人、中学生3,595人。

小学生は60%、中学生は3.5%。

■  配慮を必要とする子どもへの対応はどのようになっているか。

児童館で問題行動が見られた場合は学校などへ情報共有して対応する。

現状としては障害のある子どもは利用がない。もしも来館した際は、障がいの有無にかかわらず交流が持てるように最大限の配慮をする。

■  庁内の管轄を超えて児童館のあり方を検討する会などを設置して考えていく必要があると思うが、市の見解は。

児童館が単独の施設ではなく、文化センターに公民館や高齢者福祉館、図書館が設置されている複合施設という特性を踏まえて上で、ガイドラインの改正内容を鑑み、児童館のあり方について他市の状況を見ながら調査研究していく。


 

府中市の児童館は17時まで。そして、なぜ中学生までなのか、と聞くと「理由はわからないけど条例できまっているから」ということだそうですぼけー

どのような年代の子どもたちが、どういった時間帯で利用しているかなど、詳細を知りたいと思いましたが、データがありませんでしたぐすん

 

今回、児童館ガイドラインの改正では、大幅に内容が追加され、例えば次のような内容が盛り込まれています。

  • 児童の権利に関する条約の精神にのっとり、子どもの意見の尊重、子どもの最善の利益の優先して考慮されるように努めなくてはならない。
  • 子どもが自らの意思で利用することができる。これは子どもの能動的、主体的な権利行使を表現していることと、子どもが一人ぼっちという状態や心理にある時などに何らかの助けを必要とする場合にも利用できるという意味であり、児童館が地域の中にある、子どもに開かれた児童福祉施設であるということを示している。
  •   配慮が必要とする子どもについて、家庭や友人関係等に悩みや課題を抱える場合や虐待が疑われる場合などは適切な支援を行うこと。障害のある子どもの利用に当たっては、合理的配慮に努めること。
  • 切れ目のない地域の子育て支援の拠点、として児童館をとらえ、位置付けられ、「乳幼児と中高生世代の触れ合い体験の取り組み」といった世代を超えた取り組みを行う。
配慮が必要な子ども、という点については、ガイドラインが求めているような状況は、府中市の児童館では実現できていませんでした。
障がいがあっても、なくても、地域で一緒に過ごせる場所の一つとして、児童館が果たせる役目もありますし、家庭や学校で居場所を見つけられない子どもたちにとってのサードプレイスとしての役割も求められたらと思います。
利用者の数については中学生は3.5%。東京都の調査では、市町村部の平均は6.3%でした。
少ないとはいえ、利用している中学生はいます。
児童館の指導員をしている方から、中学生になっても児童館を居場所としている子どもがいること。家や学校で相談できない悩みを、ぽつり、ぽつりと話していく、そういった子どもたちが中学を卒業すると児童館に来ることもなくなり、心配しているという話を聞きました。
児童館の閉館時間を延ばすことで、児童館に寄れる中学生も増えると思います。東京都26市の状況を調べたところ、府中市と同じ17時を閉館としているのは3市、夏と冬、季節に応じて時間を変えている氏は3市、17時より遅い市は大部分の19市でした。
生活者ネットワークで5年前に質問した際も、時間延長を要望しました。中学生はクラブ活動などで過ごすので17時以降のニーズは極めて少ないとのことでしたが、社会状況の変化なども踏まえて、検討が必要だと思います。
府中市ではそもそも、条例によって児童館の利用が中学生までと制限されていますので、中学校を卒業すると児童館の利用対象から外れてしまいます。
閉館を17時より遅くすることや、利用対象を高校生程度にも広げることも検討していただきたいものです。
庁内の管轄を超えて、児童館のあり方を検討する会などを設置し、子どもの居場所や健やかな育成について考えていく必要があると思います。
他市の状況を見て、調査研究していくとの答弁でしたので、ぜひ他自治体の児童館を見て、しっかりと研究していただくことを要望しました。
文化センターの中で、複合施設の一つとして児童館がある、というのが府中市の児童館の特徴であり、それゆえに、様々な制限があることから、児童館の機能を広げづらい、という状況につながっています。
一方で、高齢者福祉館や図書館、公民館などが一体的に設置されているという特性を活かして、柔軟な運営をすることでより充実した児童館や、地域の拠点となる可能性を秘めていると思います。
今回の児童館ガイドラインの改正では、大型児童館のあり方なども盛り込まれ、充実したものとなっています。地域の子どもの居場所として、地域の拠点としてのあり方について今一度根本から考えていただく場を作っていただくことを要望しました。

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