府中市来年度予算について反対討論に臨みました。

2016年3月18日 23時10分 | カテゴリー: 活動報告

平成28年第1回定例会、2月22日から始まり、昨日、終了しました。
来年度予算案について、以下の意見を討論の場で述べさせていただきました。

平成28年度は、第6次府中市総合計画 前期基本計画の折り返しの年です。
予算額は1,000億円を超え、前年度より81億円(8.8%)の増で、過去最大規模となりました。
大規模事業の進捗と公共施設の老朽化対策に対応する必要から、投資的経費が大幅に増加しています。国会では待機児問題が大きく取り上げられ、生活者の声が届いていないと言われている中、府中市のこの予算についても、市民のニーズを反映しているかが問われる予算であると言えます。

■歳入について
市税収入は、前年度と同水準の485億4,900万円を見込んでいます。
市民税のなかでも、個人市民税は前年より1.1%、2億1,600万円の増加です。
納税義務者が増え、雇用状況の回復や賃金増も見込まれる、とされています。市は「景気の動向が回復傾向」といっていますが、非正規労働者に対する 国の政策の効果は、なかなか低所得層には及ばず、年間収入が200万円以下の低所得者層が増加しています。

一方、地方消費税交付金は、56億1,200万円が見込まれています。うち3%引き上げ分は、25億5,752万円。消費税の増税分は社会保障の財源に充てる、とされて増税が導入された経緯があります。しかし、市ではその充当先について明らかにすることは難しいという見解です。
子ども子育て支援法に基づく、支援の充実を求める市民の声があるのは、府中市も例外ではありません。
社会保障4経費については、子育て支援にも充当されることから、国も財源の使途を明確化するようにと通知しております。地方消費税交付金の社会保障財源化分については、府中市の説明責任として、今後は広報やホームページなどで市民に公表すべきです。

教育債では、学校給食センター建設費用に充てられた、33億9,600万円が、予算増額 前年度比8.8%増につながっています。基金と市債借入による建設ですが、今後の世代への負担増につながることになりました。

■歳出について
〔総務費〕
一般管理費として、補助金検討会議(仮称)運営費が計上されました。
6年ぶりに、補助金審査の在り方を検討する会議だということです。
財政削減が言われている中、補助金のあり方も、根本から見直すことが求められます。人口20万以上の中核市となりうる要件を備えた府中市は、ゼロベースから補助金を見直すために、第3者機関設置の前提として、補助金のありかたについて、外部監査機関に委ねることを求めます。

戸籍住民台帳費について。
マイナンバー制度の導入に伴って、個人番号カードの利用拡大の目的もあり、平成29年1月から個人番号カードを利用して、住民票の写しや戸籍謄本などの証明書をコンビニエンスストアで交付するサービスを行うため、3,775万円の予算が組まれました。
昨年の第3回定例会において、マイナンバー制度による個人番号情報活用の考え方を質問した際、市長は「法定事務への着実な対応に注力していくことが大切であり、独自利用については慎重に検討を進める」とのお考えでしたが、今回予算化されました。
現在、個人番号カードの交付事務で、システム障害が度々発生していると報道されています。
すべての自治体のシステムを管理する地方公共団体情報システム機構(JLIS)でも、対策が立てられない状況です。
カードを紛失したり、他人に見られるといったことから起こる個人情報の取扱いについてのトラブルは、国は自己責任としている中で、緊急トラブルの際の対応窓口などを市に設置する準備もなく、行政の責任範囲が問われる事態となることも予想されます。
また、現在使われている交付機の維持管理費、年間約1,000万円と合わせて、コンビニ交付の負担金としてJ-LISへ支払う負担金が、さらに年間1,100万円上乗せにもなります。さらに、コンビニに支払う発行手数料として、来年1月から3月までの期間だけで250万円の予算が計上されています。
特に、個人情報保護の観点から、生活者ネットワークはマイナンバー制度そのものに懸念を表明してまいりました。このサービスの開始も行なうべきではないと考えます。

市民活動推進費 市民活動推進事業費について。
平成27年に策定された市民協働推進 行動計画には、協働とは、「相互の立ち場や特性を認め、対等な立場で役割を果たし、共通する課題の解決や社会的な目的の実現にむけ、連携・協力する」とあります。今予算では、その理念に基づいて、いくつかの事業を提案されていると理解しています。しかし、「社会的な目的の実現」のため、と言われる大事な事業ながら、単発的な協働事業とみられる予算が多く、どのような道筋を市が求めているのか、目的はどんなことか、についての話し合いも、尽くされている予算とは言えません。

〔民生費〕
地域福祉コーディネーター事業費について。
福祉課題の解決に向け、支援するために、社会福祉協議会に委託して、地域福祉コーディネーターを配置するということです。27年度に生活困窮者自立支援法が施行されたことにも表れているように、府中市でも地域福祉の課題として「制度の狭間」にある人たちの支援の必要性があることから市も、予算化されたと理解しています。しかし「制度の狭間」にある人たちへの支援は、定型的なものはなく、行政の独自性と質が問われるといわれています。委託事業者に現場を委ねるだけでなく、自治体の、個別支援に対する、責任の明確化が求められます。

障害者福祉費の見直し事業について。
障害者福祉費の6つの事業が、事務事業点検の結果や、行財政改革推進プランに基づき、見直ししたということで、所得制限を導入しています。近年では、障がい者権利条約の批准の流れから、その人の「社会的障壁」を除去するための施策を、その人の必要性に応じて行なうという考え方に向かっています。所得によって一律に制限をかける考え方は、財政削減が目的であることが露わであり、しかも社会の中ではいわば「マイノリティ」である障がい者のための福祉費から削減すると市が考えているとすれば、おおいに問題です。

〔土木費〕
府中駅南口再開発については、補正予算で、補助金の交付時期が予定より大きく組み換えられました。工期の遅れが生じていることから、公共施設の保留床部分の工事については、市が直接発注できなくなり、公共施設でありながら、内装工事を含んで再開発組合への譲渡契約が結ばれるという異例の事態になりました。工事請負契約の経過の説明に透明性が求められます。

〔教育費〕
教育振興費について。
特別支援教育 推進事業費が「障害者差別解消法」の施行をうけ、増額されています。個別に配慮すべき児童生徒のための措置ということです。障がいがあっても、教育活動に完全に参加するために、教育用法や内容を変更・調整することが差別解消法の基本となる「合理的配慮」の考え方です。「個別の配慮」はそのうえでの提供が前提であると認識しています。

給食センター費について。
大規模一括方式の学校給食センターの建設については、教育を財政的な観点での効率化という考えに、生活者ネットワークは異論を訴えてまいりました。しかし今予算で、建設と内装費用の大部分が予算化されました。これまでほかの方式の試算を行わずに、スケールメリットによるコスト削減を、市は一貫して主張してきましたが、結果的に工賃や資材の高騰により、土地購入費代を含めると110億円を超える大規模事業となっています。
基本設計の見直しのために厨房機器事業者に意見を聞いたことから、厨房機器選定にあたっては、その厨房機器業者への特命随意契約を結んだという経緯も報告されました。契約額への影響もあったものと考えられます。
また、市は「食育の拠点」と位置付けると言っていますが、その内容についての本格的な検討については、今予算では全く予定されていないことが質疑からわかりました。子どもたちの給食を通しての「食育」、そして手作り給食と謳う部分についてを、市は大規模な機械化のラインに委ねることについて、再検討すべきです。

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平成28年度予算案では、市民、特に障がい者に必要な社会福祉費や、生活に係る施策が縮小され、財政事情を理由に切り詰められています。事務事業点検の結果や、行財政改革推進プランに基づいた施策ということですが、市民の声を反映したとは言えません。
その一方で、前期基本計画の重点プロジェクトに位置付けられている大規模事業の進捗により、投資的経費の大幅な増加が見込まれています。
また、経常経費については、公共施設の老朽化対策などの維持管理経費が増大しています。
限られた財源ということを理由に、社会保障の経費の伸びを抑えた予算になっています。
社会保障は、削減の対象にすべき社会情勢ではありません。
充実させる方向での予算編成を求めます。